原油に約1億円投資している中、4月20日に原油市場で大事件が起こりました。
今回はその時に起こった出来事から、今後の原油についてお話ししていきたいと思います。
目次
史上初のマイナス40ドル
事件が起きたのは4月20日。
WTIの5月直近限月(5月末まで受け渡しのもの)が一時的にマイナスになりました。
原油全体がマイナスになったわけではなく、取引されている中の一部がマイナスになったということです。
ただそれであっても、原油価格がマイナスになったというのは歴史上初めてのことでした。
落差もすごくて、ほんの数時間前まで18ドルぐらいで推移していました。
そこからいきなり0ドルになって、マイナス40ドルまで下がっていきました。
数時間で60ドル近く動いたっていうのは、歴史上最大のボラティリティでした。
本来、モノの価格ってマイナスをつけたらダメですよね。
だから市場が壊れた。100年後になっても歴史として残るような事件が起きました。
それが4月20日のロールオーバー(限月の切り替え)のタイミングで。
原油はもともとOPECプラスの合意破棄から下落の流れになっていて、相当下がっていたのですが、それに拍車をかけたのがコロナショックによる原油在庫のだぶつきです。
そして何故マイナスまでいったかというと、米国のオイルタンクの備蓄が限界まできていて、溢れてしまうんじゃないかという予測が、想像以上にいったことで、誰も買い手がいなくなったからだと言われています。
これが「逆オイルショック」とも言える、今回の事件の大まかな理由だと考えられます。
その後の原油の動き
今どうなのかというと、原油価格は戻ってきています。なので私が前回投資したタイミングは結果的に安いのは安かったと思っています。
[詳細はこちらの記事をお読みください。]↓
大きな事件は起きたが、安いというのは変わらないので、前回から見通しは変わってはいません。
原油は使わずには生きていけない。
なくても生活に支障がないものであれば、ここから大変なことになるのかもしれませんが、実際なくてはいけないものなので一時的なパニックに過ぎないと考えています。
コロナショックで世界中の交通網が止まって、結果原油消費量が無くなったという理由がはっきりしているので、ここが解消されれば、原油価格は上昇していくと思います。
ただ以前のように60ドルの水準まで戻るかといったら、それは厳しいかもしれません。
コロナショックの経済への打撃は大きいのでそこまで戻るのかは不透明だと思います。
一瞬で4000万円の損失
4月の下落によって、私も約4000万円の損失が出ました。強制ロスカット※です。
評価損が一定水準に達したときに、さらなる損失の拡大を防ぐための自動決済機能。
これが常々私がレバレッジ投資が危ないと言っている理由です。
私の場合、WTIの価格が7ドルまで下落しても耐えられるようにしていました。
7ドルも過去つけたことない数字ですが、そこまでバッファーを持つようにしていました。
普通ここまでバッファーを設けておけば、何が起きても飛ばないのに、ああいうことが起きてしまうと飛んでしまうので、やっぱりレバレッジは改めてやっちゃダメなんだなと思いました。
何が起きるか分からないので、そういう類のものには手を出すべきではないなと。
あの一瞬を乗り切っていたら、今原油価格は低い水準でも戻ってきていますから。
原油の今後
今後については、WTIが10ドル台半ばまで下がったり、東京原油が過去最低をつけるようであれば、買い増しを考えるかもしれません。
ただし、逆にWTIが30ドルを超える、東京原油が3万円を超える水準は、売りの水準だと考えています。
早い段階で60ドルまで戻るのはないと思っていて、30ドル超えたあたりが目安かなと思っています。
原油に関してはじっくりやろうかなと思っています。
今回のような出来事が、今後再び起こるようなことがあると、原油そのものがダメになってしまうと思います。
それはトランプ大統領や原油産業も望んでいないと思います。
まさに原油投資に対する信任が問われていますね。
ロシアもサウジアラビアもアメリカもそれは避けたいはずです。
コロナショックによる原油産業への影響はあまりない
コロナショックによって原油産業が変わるかということについて考えてみます。
原油自体は基本的に斜陽産業です。
代替エネルギーが次々と出てきている中で、長い歴史において劣勢に立たされている。
これはここ数十年の流れの中で確定していて、既に原油の時代ではなくなってきているというのは誰しも感じているはずです。
だからサウジアラビアのサルマン王子も、原油ではない何かに対して軸を持つために、原油以外のものにあれだけ投資をしています。
サウジアラムコも上場させて手元資金を拡張させたというのはそういうことだと思います。
ただ、もしかするとその流れが早まったかもしれません。
テレワークが広まったことで、「移動」に対する必要性に疑問符がついているからです。
移動するには原油が必要。
それがテレワークによって抑制されるということは、環境面においては確実にプラスです。
世界中でそういう動きが起きたときに、原油が今の地位を守っていけなくなります。
このことは、これまでも言われていたことなので、原油産業の衰退が早まったとして、20年かかる動きが18年に縮まりましたという程度かなと思います。
マイナスに向かっている産業であることは変わりないですが、明日から原油が必要ないという世の中にすぐになるわけではないので、コロナショックの件で大きな変化は起きたとは思っていない、というのが結論です。
このことを前提として原油投資をする必要があります。
原油の信任が揺らいだ時、オイルマネーの向かう先
今回の原油のマイナスは本当に想定外でした。
訳のわからない商品で起こったわけではなく、何兆円ものお金が動く世界でも屈指のコモディティでこのことが起こったというのは非常に大きい出来事だと捉えています。
原油のマイナスは貨幣経済の隙間をついた出来事だと思います。
マイナスというのは市場経済においてやってはいけないことで、それが世界でも屈指のもので起こったということはとんでもない事件です。
ニュースでも大きく取り上げられてないのは、あまり知られたくないという力が働いているのかもしれません。
原油の信任が揺らいだ時、オイルマネーが移動する場所はどこでしょうか。
オイルマネーは割と投機的なマネーです。
投機マネーが流れるのはハイイールド市場なので、仮想通貨に資金が流れるというのは考えられます。
ただ、原油が下落した際、仮想通貨も同じく下落しやすいです。
原油から引き揚げて仮想通貨にすぐ行けるかというと、わかりやすいタイミングで行くのは難しいと思います。
連れ安した時に、仮想通貨に組み換えて、より回復の早い方にマネーを移すというのはありかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は原油の歴史的事件について、実体験を織り交ぜながらお話しさせていただきました。
原油投資は今も継続中ですので、定期的に記事を更新していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。