ここ数ヶ月で、グロース銘柄の勢いに歯止めがかかってきているように思います。
今後の見通しを考える上で、グロース・バリューという一般的な分け方に加えて、「サスティナビリティ」に注目したいと考えています。
そこで今回は、「サスティナビリティ」という投資テーマについて、グロース株の状況と合わせてお話ししていきたいと思います。
目次
グロース銘柄の選別
今年に入ってから、グロース株の中でも選別が起きている状況が見受けられます。
この理由の一つは、需給と考えています。
グロース銘柄であれば何でも買われるような需給状況ではなくなっているということだと思います。
潮目が変わって、世界中の投資家の考え方が変化してきているのだと見ています。
そのきっかけとなったのは、やはり金利上昇だと考えています。
金利上昇の中でも、成長する企業は成長すると思いますが、そうでない企業もあります。
グロースだからというだけで買われすぎていた銘柄は実態に即したプライスに落ち着いていくということです。
具体例を挙げれば、テスラモーターズが分かりやすいと思います。
実態よりも遥かに買われていた銘柄ではないでしょうか。
この先何十年、何百年先の利益に対して投資しているのか?と思うほどの株価にまで膨れ上がっていたように思います。
テスラ一択のように買われていましたが、トヨタやフォルクスワーゲンなどの既存メーカーが為す術ないという状況でもなく、また中国の電気自動車メーカーNIO(ニオ)のようにテスラを下から脅かすようなメーカーも出てきている中で、今の時価総額のままであるというのは難しいと見ています。
ナスダックの中には、アルファベット(Google)のような会社もあります。
Googleとテスラを比べた時に、時価総額はGoogleの方が倍ぐらいありますが、売上規模や、純利益、キャッシュフローの適正さなどはそれ以上に違います。
このような企業がナスダックの中にあるので、例えテスラが10分の1になったところで、彼らが成長すればナスダック指数自体はさほど影響せずに上昇していくと考えています。
これまで、ハイパーグロースと言われるナスダック100指数に入ってくるようなものがテーマ株となっていましたが、テーマが変わりつつある中で、私は『サスティナビリティ』に注目したいと思います。
時代のテーマ『サスティナビリティ』
今あえて、グロース、バリューに加えてもうひとつ時代のテーマを挙げるとしたら、『サスティナビリティ(持続可能性)』だと考えています。
いわゆるエスディージーズ(SDGs)※です。
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)別ウィンドウで開くの後継として,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。
これがかなり今きていると思います。
グロースでもバリューでも、サスティナビリティというところに焦点を当てられている銘柄が凄く伸びていると思います。
「環境」であったり、「貧困」であったりとか、そういったものに焦点を当てているような銘柄です。
だから、グロースが良い、バリューが良いというより、その視点も踏まえつつグロースとバリューを語っていく必要があると思います。
つまり一つのエッセンスとして必要だと考えています。
バリューと言えば、金融セクター、資源セクター、消費財セクター、製造セクターなどがありますが、その全てにおいてサスティナビリティが関係してくると考えています。
例えば、金融セクターであれば「決済」、お金を無くしていくという方向に進んでいます。
紙幣は紙=木でできていますから、ペーパレス化していくということです。
またこれによってより安全性を高めていくということにもなります。
製造セクターであれば、テスラモーターズに代表されるような、エコエネルギーやエコ素材を開発していますし、資源セクターであれば、分かりやすく化石燃料から風力や水力などの自然エネルギーにシフトしています。
消費財で言えば、再利用や地球に優しいもので作るといったことです。
これはグロース・バリューに限らず『サスティナビリティ』が今後10年、20年のテーマになってくるように感じます。
持続可能な世界を目指していく流れが加速してくと考えています。
人口が増加し続けている中で、地球自体を維持していくのに無理が出始めているので、あらゆる企業において自明なのかなと思います。
テーマというより、一つのジャンルになってくるのかなとも思います。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回はグロース・バリューに加えて、『サスティナビリティ』というテーマが来ていることついてお話をさせていただきました。
少しでもご参考にしていただけると幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。