先月の米国大統領選挙は株式市場にとっても注目のイベントだったはずですが、実際はそれよりも他の出来事によってマーケットが動く結果となりました。
今回は、大統領選挙後のマーケットについてお話ししたいと思います。
目次
大統領選挙後のマーケット
本来大統領選挙が一番大きなトピックのはずでしたが、それよりもインパクトのある出来事が起こりました。
大統領選挙後、N Yダウが初めての3万ドル突破し、日経平均株価も29年ぶりの高値をつけました。
しかしこれは大統領選挙の結果ではなく、ファイザーのコロナワクチン開発のニュースによって動いたものによります。
ここまでの動きを見ると、材料は何でも良くて、大統領選の結果もどちらが勝っても良かったのではないかと思います。
トランプ氏とバイデン氏があれだけ競り合って、どちらが勝つか最後までわからなかった中で、バイデン氏が勝利し、その夜N Yダウは600ドルほど上昇しました。
ニュースには「バイデン氏勝利を好感」と書かれていて、トランプ氏が勝ってたとしても同じ事を言っていたのではないかと思います。
結局のところ、どちらが勝利してもそこまで大きな材料にはならなかったということです。
今はどちらかというと、ファイザー相場、というかワクチン相場だと言えます。
結果、以前から言っていた通り、インフレーションが起きています。
引き続き雇用状況は悪く、給与賃金カットが行われており、世界的にもコロナが蔓延している状態で、株価が最高を更新していく。
インフレ以外の何者でもないです。
NYダウが3万ドルを超えたのは、大統領選挙ではなくファイザーのワクチンのニュースによって突破したものです。
大きなトレンド転換が起きた!?
大統領選挙後、市場でとても大きなトレンド転換が起きました。
ファイザーのニュースでN Yダウが大幅上昇する中での大きな変化です。
それはグロース株の下落です。
コロナショック後の相場を牽引していたのは、グロース株(ハイテク銘柄)でした。
ところが、先月のN Yダウの大幅上昇の時は、グロース株が軒並み下落し、その一方でバリュー株が大きく伸びました。
バリュー株というのは、いわゆるオールドエコノミーです。
金融や百貨店などのバリュー株が大きく上昇しました。
このトレンド転換は大きな出来事だと思います。
なぜなら、これまでオールドエコノミーは完全に主流から外れていたからです。
循環物色の最後尾でした。
例えばエクソンモービルは、コロナで原油価格がマイナスになった時、ダイレクトに影響を受けた銘柄の一つです。
その後もグロースが牽引するI T相場に全く乗れずに、コロナの収束が不透明な中で売られ続けていました。
それが、ファイザーの発表後、完全に反転しました。
この転換はラディカルでドラスティックと言わざるを得ません。
歴史的転換と言い切っていいと思います。
私のポートフォリオも劇的に内容が変わっています。
これまでポートフォリオを牽引していた、ハイテク系が先月は落ちて、いわゆるバリュー系の銘柄が今はポートフォリを牽引し始めています。(私のポートフォリオの推移は、他の記事でご紹介します。)
先の見えないことが、先が見えるものに変わりつつあるというのが、ファイザーのニュースでした。
こちらの方が大統領選挙よりも、インパクトが大きくなっているという状況です。
リスクオンの目線である金価格も低下しました。
あの日に起きたことは、マーケット参加者であれば気づくべきことですし、それだけ大きなトレンド転換が起こったと捉えています。
まだ1ヶ月ちょっとしか経っていないので、トレンドチェンジと見るのはまだ早いかもしれません。
ただ、動きが凄かったです。
NYダウが1000ドル以上も上がり、バリュー株が10~15%上がる一方で、グロース株は10~15%下がったというのは相当大きな出来事だと思います。
バフェット氏の商社株買いが今になって理解できた
バフェットさんが今年秋口にかけて商社株を買っていた理由が今になって分かりました。
別格のものを見せつけてくるなと思いました。
あのタイミングで日本の商社をあの買い方ができるというのは、ただ凄いとしかいえないです。
理屈は分かります。
日本の商社株はPER(株価収益率)が低く、取り残されていたので、バリュー株の中心であったということは分かります。
ただあのタイミングで買うことはできなかったので見事でした。
結果的に、大統領選挙後に出たコロナワクチンのニュースによって、バリュー株が軒並み上昇しました。
前にもお話ししたことがありますが、バフェットさんの買い方を真似するのは不可能です。
理解できないというか、後付けではいくらでも言えますが、実際自分が買えていないということは、バフェットさんからは遅れていると実感させられました。
私は評論家ではなく、投資家ですので、純粋にバフェットさんに負けたなと思いました。
定石通りの手かもしれませんが、それをカチッと打って、場面全体に効かせたというのは流石と言えます。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
大統領選挙が市場に与えた影響というよりも、選挙結果よりも大きな出来事が株式市場を大きく動かしたことについてお話しさせていただきました。
少しでもご参考にしていただけますと幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。