NY市場でハイグロース銘柄が売られ、大きく株価が下落する動きが、2021年の後半の動きとしてありました。
株価が大きく下がった際に、「暴落」という言葉が使われますが、その概念を考え直した方が良いのではないかと思う状況が起こっています。
今回は、米国ハイテク株について、ドットコムバブルの時のハイグロース銘柄と、今のハイグロース銘柄を比較しながら、お話ししたいと思います。
目次
「暴落」とは何か?
株式投資を私自身も行っている中で、「暴落」というものの概念を考え直す必要があると思っています。
なぜなら、株価が大きく下がることが「暴落」というわけではなく、
株価は変わらず、通貨の価値が大きく下がっている状態=株価の暴落
と言えると考えているからです。
その状態をもたらしているは、米国で今問題になっている、高インフレです。
そのため、
指数や株価が下落した→株価の暴落
という概念でうわべの数字に一喜一憂していると、足元をすくわれる展開になりつつあると思います。
そのような概念はとっくに捨て去って、相対的な価値としての株式のバリューをある程度見ていく必要があると考えています。
これに関しては、答えというものは無いですが、みんなで「暴落とは何なのか?」を一度考える年にするといいのではないかと考えています。
というのも、指数が機能していないからです。
日経平均株価も、S&P500も実際の株式市場を反映しているかというと、していないと思います。
ここではっきり言ってしまうと、今の株式市場は既に「暴落」という状態になっていると言っても過言では無いと私は考えています。
それを見た目の数字で、「NYダウが2万ドル切るかもしれない。」とか「日経平均株価が1万円台半ばまで下がるのではないか。」などと安直に見ない方がいいかと思います。
「だったらどうなるのか?」
となりますが、主役は投資家のみんななので、そこは各々で考えることだと思いますが、うわべの指数の動きを追いかけても何も見えてこない相場になってきたという印象があります。
以上のことから私は、今「暴落」しているのは、株ではなく通貨だと考えています。
だから結果、株が暴落したとなるわけですが。
通貨の方がより重要だからこそ、FRBはインフレを押さえるために、金融緩和縮小に舵を切っているわけです。
この点には、今後かなり注目していく必要があると考えています。
ドットコムバブル時のハイグロース銘柄との違い
米国の利上げの話で、ハイテク株はどうなっていくか?ということについて、ドットコムバブルの時のハイテク株とよく比較されています。
今の米国ハイテク株は、ドットコムバブルの頂点ぐらいの水準にようやく戻ってきたのちに、また下落しているという状況です。
しかし、ドットコムバブルの時のように、
「今回も膨らみすぎた価値が急激に弾けるのか?」
ということについては、私は懐疑的です。
企業の状況が、当時と今とでは全く異なるからです。
ドットコムバブル時は、売上げも決算も何も株価に追いついていないような、めちゃくちゃな状況でも株価が上がり続けていました。
成長もせず、赤字が膨らんでいっている、そんな会社ですらも馬鹿みたいに時価総額が膨らんでいっていました。
よく時価総額が年商の何倍なのかという指標が、株価の割高を図る上で重要になってくるわけですが、ドットコムバブルの時は、1億円の売り上げしかない会社に1兆円の価値がついたりというようなことがありました。
一方、今そのようなことになっている会社はありません。
テスラモーターズがひどいと言われていますが、ドットコムバブルと比べるとそこまでひどくはありません。
つまりドットコムバブルほど、現状はめちゃくちゃになっていません。
この辺りが指数だけを見ていると足元をすくわれるという所です。
ドットコムバブルの時は、NYダウが3万ドルもつけていなかったという話になっても、そういう話ではないということです。
売上に対して時価総額がどれだけあるのかを見る際に、指数は関係ないということです。
例えば、シースリーエーアイという、ハイグロースの旗振り役的存在の銘柄の一つを見ると、売上250億に対して時価総額3000億になっています。
時価総額が売上の10倍以上ですが、ハイグロースでは普通の水準です。
これが30倍、40倍になってくるとめちゃくちゃだなとなってくるわけです。
ハイグロースのこの点を見ると、今の状況を「バブル」と言うのは無理があると思います。
経済学者の人たちが何を持ってバブルだと言っているのか、きちんと説明する必要がありますが、誰も説明していないように思います。
ニュースでは、
「単にN Yダウがこんな景気状況で上昇しているのはおかしい。」
というようなコメントをしても、上がったら、下がるのが株です。
それが最終的に正解かどうかは歴史が判断するのですが、自分がある程度納得できる根拠を提示せずにバブルだというのはおかしいということです。
ドットコムバブルの時の決算と今の決算では、圧倒的に今の決算の方が良いです。
つまり
ドットコムバブルの時は
→儲かっていないのに、株価が上がっていた。
現状
→儲けが出でいる上で、株価が上がっている。
ということです。
この点は、今後の投資の参考材料にしていただくといいかと思います。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
米国ハイテク株の現状を見る上でご参考にしていただけると幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。