今回は債券の投資術についてご紹介したいと思います。
金利にも触れてお話ししますが、金利と債券投資というのは、一緒に語っていい部分とダメな部分が両面的にあるので、金利反応型の債券という言い方をした上でお話ししたいと思います。
目次
金利反応型債券にはどんなものがあるか?
今回お話しする金利反応型債券は、こちらです。
- 米国債
- 一般社債
- 仕組債(EB)
それでは順にお話ししていきたいと思います。
米国債
まず一つ目に、米国債です。
米国債に関しては、30年物金利が2.5%超えてくるとややオーバーシュートしているなという感じです。
だから私の場合、米国30年物金利が2.5%を超えてくると、米国債を投資対象として考えます。
30年国債とはいえ、先進国で軒並み金利が出ていない状況にあります。
日本でも0.◯%とかそういう水準で、米国だけが2%台の水準で推移しています。
米国も将来的に他の先進諸国並みになっていくのではないかと思うので、2.5〜2.6%出ている間に米国債を買うというのはシンプルにチャンスではないかと考えています。
毎年配当として2.6%配当がもらえるという考え方も出来ますし、単純に30年後に100で返ってきますので。
また、米国債を買うということは危機に備えるということだと考えています。
米国債は景気が良い時に金利が上がり、悪くなったらいきなり金利が下がる傾向にあります。
そこの利ざやで儲けることができるのも米国債の特徴だと思います。
一般社債
次に一般社債、ストレートボンドなどと言われるものです。
これはレーティングによってちょっと動きが異なります。
超優良企業のシニア債
中でも米国債に近い動きをする債券が、いわゆる超優良企業のシニア債と呼ばれるものです。
Appleや Microsoft などが出している30年物の社債です。
これは基本的に米国債に類似した動きをします。
ただ国と一企業を比べると、米国債ほどの信用力はありませんので、同じ格付けであっても、多少米国債よりも利回りが出るというものがシニア債です。
この辺は、米国債と一緒に考えていいと思います。
低格付債・ジャンク債
次に低格付債・ジャンク債と言われるものです。
例えば、ソフトバンクグループがアメリカで発行してるものなどがこれに該当します。
米国債や超優良企業のシニア債とは逆に、基本的に危機時には暴落します。
前回のコロナショックの時も暴落しました。
これに関しては、今のような状況で手を出すべきではないと考えています。
今のような状況というのは、株価の位置所が高いことと、債券自体もそこまで魅力的な水準にまで来ていないこと、あとはやはり下落のリスクがかなり目立っているように見える状況なので、今はちょっと違うのかなと思っています。
仕組債(EB)
あとは、仕組債と呼ばれるEBなどです。
ここではEBについてお話しします。
EBはノックイン・ノックアウトという仕組みがありますので、この仕組みありきで考える必要があります。
(EBについては、下の記事でもお話ししていますので合わせてお読みください。)
EBの強みは、特定期間においてノックイン※1をしなければ利率◯%で元本と一緒に返ってくる、という簡単な仕組みにあります。
株式指数など、対象となる指標があらかじめ定めた水準(ノックイン価格)と同等あるいはそれを下回り、権利が発生することを指します。ノックインすることによって償還条件(償還金額など)が変わる債券をノックイン条項付きの債券といいます。例えば基準日からの日経平均株価の変動率によって償還金額が変動するタイプの日経平均株価連動債券では、日経平均株価が観察期間中にノックイン価格に達しなかった場合には当初設定の償還金額で償還され、ノックイン価格以下になった場合には、その後の株価動向によっては償還金額が投資元本を下回る可能性があります。
引用元:SMBC日興証券
これの強い所は、例えばAppleの株価が1年後に50%になっていなければ10%の金利をつけて元本と一緒に返ってきますよ、という商品性であることです。
株式がジリ下がりの時に強みを発揮します。
Appleのような大きな会社が、1年ぐらいで株価が半分になることってよほどの危機でない限り、あまりないことだと思います。
ただ株式自体は下がり基調のような時にEBは使いやすいと思います。
米国株式はここ10年上がり続けてきましたが、過去数十年で見ると下がり続ける期間が長い時も結構多かったです。
そういう時でもAppleのような会社の株価が50%まで下がるようなことはなかったので、ノックアウト※2しにくい株式がジリ下がりの時にEB投資は適していると考えています。
株式指数など、対象となる指標があらかじめ定めた水準(ノックアウト価格)と同等あるいはそれを上回り、権利が発生することを指します。ノックアウトすることによって償還条件(償還時期や方法など)が変わる債券をノックアウト条項付きの債券といいます。例えば基準日からの日経平均株価の変動率によって償還条件が変わるタイプの日経平均株価連動債券において、日経平均株価が観察期間中にノックアウト価格以上になった場合に満期前でも償還されるという早期償還条項は、ノックアウト条項の一種です。
引用元:SMBC日興証券
ただEBでも高いところでやると難しいこともあります。
ノックインが80%とかでやると下がってしまうこともありますが、50%ぐらいまで下げているEBだとなかなかそういうことはなかったりします。
じりじりと今33000ドルのダウ平均が1年後に3万ドルなって、2年後に27000ドルになって、3年後に24000ドルになっている。
こういう局面はあってもおかしくないですよね。
過去にそのような局面はあったので。
そういう時に強いというのがEBだと思います。
EBはあくまで急落局面ではなくてジリジリ下がる局面に強いということです。
あともう一つEBが最強に威力を発揮するのは暴落時です。
暴落時に組んだEBはすごいです。
EBは基本的にボラティリティと連動します。
言い換えればVIX指数※3と連動するということです。
VIX指数とはVolatility Indexの略で、シカゴオプション取引所がS&P500種指数のオプション取引の値動きをもとに算出・公表している指数です。一般的に、数値が高いほど、投資家が先行きに対して不安を感じているとされます。
引用元:SMBC日興証券
VIXが上がった時に組んだEBというのはものすごい破壊力があります。
この辺をうまく使えるかがEB投資です。
下落局面で株式に投資すると一方的に下落してしまいますが、EBは金利をもらうことができるので、ここも強い所です。
一方でEBはどういう時には向いてないかというと、株式がかなり早いタイミングで上昇する時です。
例えばApple の株価が1年後に200ドルから300ドルまで、50%上がるような時です。
Appleほど大きいと50%はないかもしれませんが、20〜30%は十分有り得ます。
これで金利が7%とかだったら、その株式の上昇を取れないので、ここがEBの不利な所です。
金利反応型債券まとめ
それぞれの債券の特徴をまとめると以下になります。
・高格付債(米国債や超優良企業のシニア債など)
利回りは低いが、好景気・急落に強い。
・低格付債(ジャンク債)
利回りが良く、景気拡大期に買い増しするのが効果的。一方で世界恐慌時等、VIXが跳ね上がった時には暴落する。
・EB
急落時に組むと物凄く破壊力が高く、利率が出る。
景気がジリジリ後退している時に組むと強い。
ただし、景気拡大時期に組んでしまうと、株価上昇の恩恵を取りこぼすことがある。
この辺が3つの債券の特徴です。
それをうまく使い分けることが大切です。
これが基本的な金利反応型債券の見方です。
今後1年ぐらいで急激な景気後退をすると思えば米国債を買う。
今後数年にわたって景気拡大していく、もしくはこの状態が継続するんじゃないかって思うならば、金利の高い低格付け債を買う。
じりじりと急落はしなくても、なんとなく全体の指数は落ちていくんじゃないかという時はEBを買う。
債券をひとまとめにせず、きちんと自分が今買おうとしている債券はどこをターゲットにしているか?を考えることが大事だと思います。
この辺をきちんと使い分けていない人が実際は多いように思います。
今は長期金利が上がってきてくれているので、まず米国債を一旦仕込んでおいて、暴落した時に米国債が暴騰(過去の例を見ると米国債が暴騰するので)、そのタイミングでEBを組むという流れが考えられます。
そういうタイミングのEBって物凄く破壊力があります。
上がった米国債を売って、余剰資金で組んだEBほど最強なものってないと私は思っています。
これが債券投資の醍醐味です。
実際にそれをコロナショックで実践しました。
初心者は債券型E T Fから始めてみるのがおすすめ
債券は、初心者に関しては流れを見るクセをつけることが大事だと思います。
買う・買わないではなく、債券が今どうなっているのかを見るクセをつけることは株式にも必ず生きてくるからです。
株式と債券は表裏一体ですので、その繋がりをまず見ることです。
その上で少し慣れてきたら、債券型のETFというものがあるのでそういったものにまず投資してみるといいのではないかと思います。
例えば、EDVというバンガード・超長期米国債ETFや、バンガード・米国長期社債ETF(VCLT)などがあります。
初めからストレートに債券を買うのではなく、そういうETFをちょっと買ってみることから始めてみるのがいいと思います。
債券投資に関しては資産規模1億円以上からでいいと思います。
1億円未満の場合は、ETFなどで似たようなものに投資することができるので、そういったものを使えばいいと思います。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
金利反応型債券で、主に私が実践している投資方法についてお話しさせていただきました。
債券投資のご参考にしていただけると幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。